国指定 重要文化財 美術工芸品

大悲王院 木造千手観音立像

  • 大悲王院 木造千手観音立像
時代/鎌倉  所在地/糸島市雷山626
【指定年月日】
明治37年2月18日

【公開等】
大悲王院 観音堂
https://sennyoji.or.jp/

玄界灘を望む雷山は、聖武天皇の勅願によりインド僧清賀上人が開創したと伝える千如寺を始め大小三百の寺院が立ち並ぶ霊山。中世には異国降伏の祈祷所として栄えた。しかし当時の法灯を伝えるのは宝暦3年(1753)藩主黒田継高により建立された大悲王院のみとなっている。本像は雷神社中宮拝殿下の観音堂にあったもので、明治期の神仏分離時に大悲王院に観音堂とともに移された。像高464cmの県内最大の千手観音立像。本体はカヤ材の寄木造。頭部を三材・体部を二材で矧ぎつけ、差首で、各臂は肩、肘、手首でつなぐ。頭部には十一面の化仏をおく。四十二臂の手がつき、さらに背面に小脇手を八百四十五手打ちつけ、千手を表現する。顔は面長で、鼻、頬等ふくらみをもって造られ、髪筋も細かく刻まれる。衣文は複雑に折り返され、鎌倉時代に流行した宋朝風の影響がみられるが、やや硬直した造りから鎌倉後期の制作と考えられる。

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