銅鋳製、径30cmを超える大型の素文鏡の鏡面に十一面観音菩薩坐像を線刻した鏡像である。細く流麗な刻線で均整の取れた姿に表された像容は、平安時代の白描画を髣髴とさせる。鏡背に刻された銘文から、長承3年(1134)勧進大法師定俊により、二月堂に施入されたものであることが知られ、制作年代も推察される。技術優れた平安時代鏡像の基準作として貴重である。松永コレクションのうちの1点。