福岡市美術館が所蔵する松永コレクションのうちの1幅。鎌倉時代の作品で、もとは絵巻の一部であったが、現状は縦26.0cm、横54.0cmの掛幅装である。画面の話は次のような内容である。毘沙門天に仕えた鬼が性悪のゆえに勘当された。鬼は、同じように性悪ゆえ寺を追われた僧と親しくなった。ふたりは、鬼の姿が人に見えないのをいいことに、僧が鬼の肩に乗ることで空を駆ける様子に偽り、人々が尊んで供養する施物を受けて山分けしていた。ある時、下界に下った天上の夜叉に見つかり追いかけられ、鬼はついに僧を捨てて逃げ出した、という話である。