江戸幕府の命によって各藩に提出が求められた『庶物類纂』の補遺編における福岡藩分の史料である。『庶物類纂』は元禄12年(1699)から編纂が開始され、正徳5年(1715)に362巻が完成した。徳川吉宗が補遺編を製作させ、元文3年(1738)に638巻が完成し、合わせて1000巻になる我が国における本草学の大著である。本史料は、竹田定之進と小野玄林が編纂し幕府に提出した正本に対する副本で、物名3冊・絵図2冊、福岡藩庁と同藩江戸屋敷の往復文書の写しを綴った1冊からなる。江戸時代中期における筑前国の物産とその名称、形状等を知ることができる史料である。絵図もまた細密を極めた優品である。