国分寺は、天平13年(741)聖武天皇の詔により、国ごとにおかれた。筑前国分寺の本堂に薬師如来と伝えられる仏像が本尊として安置されている。像高212cmの巨像で、頭部ヒノキ、胴部はマキ、背面はクスノキ材の寄木造。五智如来の種子を彫る後補の木製宝冠をかむり、弥勒菩薩像とされていた時期があったことを物語るが、像名には種々の説がある。造像時期についても諸説あるが、円満で静かな中にも凛とした趣をもつ面部は、観世音寺吉祥天立像にも通じ、平安時代後期に遡るかと考えられる。