像高174cm、カヤ材の一木造で、内刳はなく非常に重量のある立像。頭部は髪際で刻みをつけ、頭頂を丸くし、やや面長の顔に彫りの深い目鼻立ちを刻む。衣文は深く刻まれ、しのぎが高く厚手で重く感じられる。脚部はY字形に彫り込まれ、足のところで巻葉渦文をつくり重くたれる。袖の部分は八字形に彫られ動きを表現する。いかめしい表情や着衣の表現等から、如来形坐像との共通性がみてとられ、同時期に造立されたものとみられる。平安時代前期(10世紀頃)の貴重な作例として有名である。