梅林寺は筑後川沿いに位置する臨済宗妙心寺派の禅宗寺院で、江戸時代には久留米藩主である有馬家の菩提寺として隆盛した。本堂正面に建つ唐門は勅使門とも呼ばれ通常は門を閉じているが、天皇の勅使を迎える際や新たな住職の就任時のみ使用するという。木造、一間一戸、平唐門、檜皮葺の平唐門で建築年代は明治20年(1887)、大工棟梁は久留米在住の岡嵜吉兵衛である。梅林寺唐門は、伝統的な平唐門の形式に精緻な彫刻で満たされた装飾意匠が秀逸であり、軒廻りや扉廻りを中心に彫刻が施されている。建立年代や工匠が明らかで、明治時代の建築技術の高さを示す近代和風建築として価値が高い。