本樹は北流して周防灘に注ぐ真如寺川西岸の小原岩陰遺跡（小原不動窟）の前方に生育している。ソテツの成長は、他の樹種に比べて極めて遅く、１ｍ伸長するのに約20～30年を要すると言われ、本樹は樹齢約200年と考えられる。本樹は雌株であり、幹の頂上に雌花を着生するが、この近くに雄花が見られないので、ほとんど結実したものを見ることはできない。現地調査の結果によれば、幹の高さが6ｍを越えるものから1ｍ程度のものまで、併せて12本の幹が株立ち状を呈しており、それぞれの幹には、さらにいくつもの分岐点が不規則に発生している。根部は礫の混入する赤土に根系を伸長させている。一方、幹の頂上付近には、過去に着生した雌花の痕跡が認められる。