旧数山家住宅は、添田から英彦山神宮へ向かう旧参道筋の農村集落に位置する。敷地背後は山が迫った狭隘な敷地であり、主屋の南側に前庭を設ける。主屋は、桁行10間半、梁間4間半、寄棟造、茅葺、平入の直屋である。内部は、西半部を土間とし、土間南隅に「うまや」、その後方に「くら」を設ける。東半分を居室とし、土間側に竹床の「ひろま」「ちゃのま」、「なかのま」「なんど」を設け、上手に「座敷」「奥納戸」を配した整形六間取である。建築年代は、座敷押入れから発見された墨書より天保13年(1842)の建築とされる。本住宅は福岡県における直屋の農家の典型として重要である。