岩屋神社は修験道の拠点として知られる英彦山の南西側山麓に位置する。当地は英彦山から太宰府の宝満山に至る峰入りの行者道にあたり、多数の巨岩・奇岩が屹立する岩場に岩屋神社は鎮座する。岩屋神社本殿は、元禄11年(1698)に福岡藩4代藩主黒田綱政によって再建建されたもので、権現岩と称される大岩の窪みを利用して建てられている。本殿は外殿と内殿からなり、外殿は桁行五間、梁間二間、入母屋造、向拝三間で、茅と杉皮の重ね葺きである。内殿は外殿後方にあり、片流れ、三間社見世棚造とする。内殿前方には「宝珠石」と称される地盤から隆起した岩を御神体とし、これに薦を被せ、周囲に木柵を巡らす。境内社熊野神社は、本殿西の険しい岩壁の中程に位置する。岩窟内に懸造りで建てられた三間社流見世棚造、板葺とする。貞享3年(1686)の建立である。いずれも英彦山の修験に関係する建築で、17世紀に遡る数少ない遺構として貴重である。