伊藤常足は「太宰管内志」の著者として著名であるが、彼がその編纂等のために蒐集し、記録し、推考を重ねた厖大な資料が伝存する。いわゆる歴史・地誌関係研究資料が一個人の手でこれ程蓄積された例は、県内においては数少なく、大切に保存伝世されてきたことも貴重である。その点数万に及ぶが、特に蒐集された版本類は克明に註記・加筆を行っており、写本は丁寧に書写するなど、研究の緻密さを知ることができる。