賀茂神社(うきは市浮羽町山北)の社家熊懐(くまだき)氏に伝わった文書群で、①山北村祭礼宮座関係文書、②賀茂神社関係文書、③山北村関係文書、④有馬家関係文書(合計約500点)からなる。後醍醐天皇から熊懐の名字を賜ったという波多行景が、賀茂神社の初代大宮司となり、熊懐氏は社家として現在まで続いている。①山北村祭礼宮座関係文書は、賀茂神社、日吉神社、三次神社の祭礼について、寛永6年(1629)から現在までの豊富な内容を含み、宮座の構成、祭祀の状況、直会の献立、禁制等を知ることができる。②賀茂神社関係文書には、江戸時代初期の年中行事の記載や、中世文書の写し等がある。③山北村関係文書は、「享保御物成帳」、「延享の水帳」をはじめ、明治時代前期の戸長役場関係の行政文書が多数残る。特に、享保17年(1732)5月の山北村と村内三ケ名の本地田畑及び開田畑春免御物成帳が4冊揃うのは貴重である。④有馬家関係文書は、幕末の黒船来航時、有馬藩の情勢が分かる家老有馬織部「廻し文二十二通」のほか、藩内庄屋の報告書が多数残る。賀茂神社や山北村の歴史を江戸時代から現代にいたるまで通して知ることができる貴重な文書群である。