重留遺跡は、南北に伸びる標高15m前後の丘陵上に立地し、周辺には同時期の弥生時代後期集落が形成されている。広形銅矛を埋納した第2地点1号竪穴住居跡は、床面積が50㎡を超す規模に復元される大型竪穴住居で、住居の時期は、出土土器から弥生時代後期前半に住居が掘削され、後期中頃~後半にかけて広形銅矛の埋納行為が行われたと想定されている。住居南壁に沿って設けられた銅矛埋納土坑は、住居床面の高さで拳大の白色粘土を団子状に積み重ねた状態で検出し、その粘土の範囲は厚さ2~7.5cm、幅40cmを測り、この白色粘土の下で銅矛の複数回埋納が行われていることを確認した。銅矛をマツリのたびに取り出して使用するための埋納保管土坑であった可能性がある。出土した広形銅矛は、全長83.5cm、刃部最大幅12cm、関部最大幅13.5cm、重量1.7kgを測る、ほぼ完形品である。鋒の先端から6.7cmの部分に石製鋳型をつなぎ合わせた痕跡が認められる。本例は銅矛を含めた武器形青銅器が竪穴住居跡内に埋納された唯一の例であり、弥生時代の祭祀を復元するうえで欠かせない資料である。