今津の誓願寺に伝世した写経12巻。一つ目は法華経8巻及び開経・結経の計10巻。そのうち、開経・結経には元暦2年(1185)の奥書があり、同寺を建立した檀那寛智・仲原氏の名がある。法華経には建久3年(1192)の奥書がある。共に栄西の再度入宋の前後にあたり、栄西の筆と推定されている。二つ目は、理趣経1巻で、斐紙銀界、朱の訓点を付す。三つ目は、法華経方便品1巻で、斐紙銀界、表の欄外及び紙背は銀砂子蒔、金銀切箔散を施す。両経ともに鎌倉時代の写経である。