筒形の長胴の身に、宝珠形のつまみをもつ蓋を被せた器形である。釉は底部を除いて滑らかにかけられ、オリーブ・グリーンに発色している。中国で北宋期につくられた陶製経筒である。浙江省越州窯のものとみられるが、この窯は11世紀中葉を境として衰微しつつあり、おなじ浙江省の龍泉窯に青磁生産の中心が移るが、本品は越州窯における最末期の製品ということができる。青磁経筒は中国における出土例はなく、埋経というわが国独自の風習に際して、こうした陶製経筒の製作をわが国から注文した可能性が考えられる。